研究概要 |
本研究では,日常的な環境における人間の自然な生活行動を,長期間にわたって時間的・空間的にシームレスに計測,記録し,様々な側面から行動を基軸に検索できるデータベースを実現する,そのために必要不可欠となる環境型と携帯型を組み合わせた並列分散のネットワークセンシングシステムの構成法を確立することを目指している. 本年度は,無線式物体識別センサユニットを中心に,マイクロコントローラベースの分散システムを構成し,さらに多様なセンサで行動情報を記録・蓄積できるようにした.多数のセンサ情報を高速・効率的に管理するために「分散ネット管理システム開発環境」によって,XMLをデータフォーマットとする分散オブジェクトシステムとして実装した.分散配置されたセンサについて機能ごとのモジュール化を行ない,それぞれについて独立自律して動作できるようマイクロコントローラを割り付け,分散オブジェクトの実行環境を実現した.具体的には,Javaのリモートオブジェクト実行機能を実装し,計測処理,蓄積記録の多種の要求が統一的に処理できるように構成した.そのため,従来文書情報を想定してデザインされたリモートメソッドコール用プロトコルを低レベル部からセンサ情報通信処理に合うような再設計を行ない実装した. また,着用携帯型のセンシングシステムの導入実装も進め,環境型システムと携帯型システムの情報を統合し,基本的に環境型のみで有線・無線通信を核に設計をすすめてきた三層階層構造システムを,統一的なセンサデータ処理システムとして拡張をはじめた.
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