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2003 年度 実績報告書

蛍光プローブの創製による,細胞応答の生きたままの状態での可視化

研究課題

研究課題/領域番号 15681012
研究機関東京大学

研究代表者

菊地 和也  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (70292951)

キーワードZn^<2+>イオン / 蛍光センサー分子 / イメージング / 低親和性 / 配位子 / 蛍光強度 / 中枢神経系 / 細胞膜透過性
研究概要

申請者はZn^<2+>選択的蛍光センサー分子ZhAF-2の開発に成功した.ZnAF-2は生理的な重要性が報告されている.Zn^<2+>の動態,作用機序を解明する手段として生細胞,組織などに応用されている.特に既存の亜鉛蛍光センサー分子の問題点であったZn^<2+>に対する選択性を.ZnAF-2は克服しており,Ca^<2+>やMg^<2+>など他の生理的に重要なイオンには影響を受けない.またZn^<2+>に対するみかけの解離定数(K_d)はnMオーダーであり,低濃度、(0.1nM〜10nM)のZn^<2+>の濃度変化を検出することができる.しかし,研究を進めるうちに中枢神経系ではμMオーダーまで濃度が達する可能性に気が付いた.その範囲では蛍光強度が飽和するため,all or noneの定性的な評価はできるが,正確な濃度を求めることはできない.より広い範囲でのZn^<2+>の濃度範囲を測定可能にするためにはセンサー分子を低親和性にする,つまりK_d値を大きくする必要がある.この場合重要な点として,親和性を変化させてもZn^<2+>以外のイオンへの特異性は維持しなくてはいけないことが挙げられる.低親和性亜鉛蛍光プローブの候補を,ZnAF-2の構造を基本骨格としてデザイン・合成した.具体的にはピリジン環の6位にメチル基を組み込み立体障害を導入したもの(ZnAF-2M),配位数を減らしたもの(ZnAF-3),配位子間の距離を伸ばしたもの(ZnAF-4、ZnAF-5)である.いずれのプローブもZn^<2+>に対する選択性が高く、膜透過型の合成を行うことで生細胞や組織への応用も可能となり,これらのセンサー分子を用いてnMからμMに至るまで広い濃度範囲でZn^<2+>濃度変化をイメージングすることに成功した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Hanaoka, K.Kikuchi, H.Kojima, Y.Urano, T.Nagano: "Selective Detection of Zinc Ions with Novel Luminescent Lanthanide Probes."Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 2996-2999 (2003)

  • [文献書誌] T.Inoue, K.Kikuchi, K.Hirose, M.Iino, T.Nagano: "Spatiotemporal Laser Inactivation of Inositol 1,4,5-Trisphosphate Receptors Using Synthetic Small-molecule Probes."Chemistry & Biology. 10. 503-509 (2003)

  • [文献書誌] H.Takakusa, K.Kikuchi, Y.Urano, H.Kojima, T.Nagano: "A Novel Design Method of Ratiometric Fluorescent Probes Based on Fluorescence Resonance Energy Transfer Switching by spectral Overlap Integral."Chem.Eur.J.. 9. 1479-1485 (2003)

  • [文献書誌] D.Okada, C.C.Yap, H.Kojima, K.Kikuchi, T.Nagano: "Distinct Glutamate Receptors Govern Differential Levels of Nitric Oxide Production in a Layer-specific Manner in the Rat Cerebellar Cortex."Neuroscience. (in press). (2004)

  • [文献書誌] K.Kikuchi, K.Komatsu, T.Nagano: "Zinc Sensing for Cellular Applications."Curr.Opi.Chem.Biol.. (in press). (2004)

  • [文献書誌] K.Kikuchi, H.Takakusa, T.Nagano: "Recent Advances in Design of Small Molecule Based FRET Sensors for Cell Biology."Trends Anal.Chem.. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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