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2004 年度 実績報告書

組織衰退・滅亡の過程とそのパターンに関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 15683003
研究機関筑波大学

研究代表者

三橋 平  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (90332551)

キーワード組織の失敗 / 組織の成長 / 組織変革 / 経路依存性 / 経路独立性 / 組織の進化
研究概要

本研究では,組織が衰退・滅亡する過程とそのパターンについて,2つの大きな枠組みを想定して研究を行っている。まず第1に,組織の外的な要因,すなわち経営環境がもたらす競争的緊張や脅威,新しいテクノロジーの出現に伴う適応の問題が挙げられる。2つ目の枠組みとは,組織内部の要因であり,具体的には,組織構造,情報処理能力,パワー関係,そして,組織学習などの要因が考えられる。本研究では,衰退・滅亡にいたる過程の中で,必ず組織は外的な要因による脅威と,内的な要因による制約を受けており,この2つのフォースのインターアクションが,パターンを形作っているのではないかと考えている。特に現在想定しているモデルは,path dependent(経路依存性の高い)パターンと,path-independent(経路依存性の低い)パターンがあり,環境の不確実性が高い時には,path-independentパターンの進化を遂げられる組織の方がより生存率に対して有利に働くと考えている。例えば,私がGreveと発表した組織内パワーに関する論文では,部門間のパワーや組織内のパワー格差が固定化され,path-independentのレベルが高くなることによって,組織はより変革を行いにくく,特に,その影響は組織のパフォーマンスが低迷しているときに強くなることが明らかになっている。また,現在審査中のSineとKirschと執筆している論文では,ベンチャー組織内の官僚的ともいえる組織制度が,むしろ組織内に安定を生み出し,path-dependentな進化を可能にすることから,好業績につながることも明らかになっている。現在までの研究では,この2つのパターンがどのように生み出され,そして,組織のパフォーマンスに対してどのような影響を持っているのかが不明であり,引き続き,これらを明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Revisiting Burns and Stalker : Formal structure and new venture performance in emerging economic sectors2006

    • 著者名/発表者名
      Sine, Wesley D., Hitoshi Mitsuhashi, David Kirsch
    • 雑誌名

      Academy of Management Journal 審査済み・掲載予定

  • [雑誌論文] Powerful and free : Intraorganizational power and the dynamics of corporate strategy.2004

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhashi, Hitoshi, Henrich R.Greve
    • 雑誌名

      Strategic Organization 2

      ページ: 107-132

  • [雑誌論文] Multiunit Organization and Multimarket strategy : The Dynamics of Market Entry and Commitment2004

    • 著者名/発表者名
      Greve, Henrich R., Hitoshi Mitsuhashi
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Management 20

      ページ: 9-30

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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