平成15年度は、計測器開発の為に必要な計算コードの整備を行い、また、そのコードを使用した計測器の設計を行った。 この計測器は磁場閉じ込め装置が発生する漏れ磁場を利用して粒子のエネルギー弁別を行う物であるので、計測器を取り付ける磁場閉じ込め装置装置に応じた設計をする必要がある。本研究課題では核融合科学研究所にて稼働している大型ヘリカル装置(LHD)を対象として設計を行った。計算コードの整備の整備にあったては、LHDの様々な磁場配位に対応出来る様にするために閉じ込め磁場を生成するヘリカルコイル3系統・ポロイダルコイル3系統を独立に取り扱うように行った。LHDにおいては磁気軸を3.6[m]・磁場強度0.5-1.0[T]の磁場配位において、アルフベン固有モードと高エネルギー粒子が相互作用を起こす現象が顕著に観測されているので、この検出器のターゲットとする磁場配位を3.6[m]として計測器及びその真空容器の設計を行った。 検出素子には、可視光に対して感度の無いダイアモンド検出器を選び、空間3点xエネルギー5点の合計15点の計測を手始めに行うことにした。また、この計測器とほぼ同一の視線を取るような構造で、同一真空容器の中にSi半導体を利用したPHA型高速中性粒子分析器(SiFNA)を配置した。本研究で開発を行う計測器の検出感度のエネルギー依存性はこのSiFNAとの検出結果を比較することによって評価する。 平成16年度は、上述した計測器を製作・設置し、その特性を評価する予定でいる。
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