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2003 年度 実績報告書

活性酸素種の反応機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 15685003
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

高口 博志  独立行政法人理化学研究所, 化学反応動力学研究室, 研究員 (40311188)

キーワード励起酸素原子 / 交差分子線法 / 散乱角度分布 / 装置関数
研究概要

中性反応の中で最も反応性が高く、酸素が関与する反応として重要な励起酸素原子O(^1D)反応の交差分子線実験を行った。はじめに散乱実験において検出可能な量の生成物をもたらすために十分な強度のO(^1D)原子源の開発を行った。O(^1D)は酸素分子のSchumann-Runge帯を利用したレーザー光解離法により生成した。発生したO(^1D)線の原子線診断を交差領域で行い発生条件を最適化した。解離過程でO(^1D)が得る反跳速度(2200m/s)を、ノズル直下の高圧領域で希釈ガスであるヘリウムにより空間的に閉じこめて400m/sまで速度冷却した原子線を得た。必要な強度のO(^1D)原子線が得られた時点で、(重)水素分子との交差分子線実験(O(^1D)+H_2/D_2→OH/OD+H/D)を行った。生成物である(重)水素原子の検出にライマンα線によるレーザー光イオン化を用いて、ドップラースペクトルを測定した。D生成物については既報値のドップラースペクトルの半値全幅(3cm^<-1>)が測定できたが、H生成物の半値前幅は報告値(6cm^<-1>)の半分であった。画像観測法による散乱分布測定では、検出レーザー光の方向に沿って多く分布する散乱分布画像が測定された。画像解析によりH生成物のドップラースペクトル幅が狭く測定されたことと、散乱画像がレーザー光に沿って強い分布を示したこととは、ともに画像上の検出感度分布(装置関数)に由来していることがわかった。発生する生成物の量は2つのビーム強度の時間的・空間的重なりに比例し、そのうち実際には照射した検出レーザー光の体積中のものだけが検出される。実際の実験パラメーターに基づいて、数値計算によりシミュレーションされた予測画像は実測画像をよく再現した。しかし、現状では本来の目的である微分散乱断面積の高精度測定には適っていない結果であり、装置関数の改善の必要性を示している。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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