研究概要 |
本研究は,型材料に石英ガラスを用い、成形材料を石英よりも低軟化点・低融点のガラスを対象とした微細ホットエンボス加工技術の開発を目的とする.線膨張係数の小さい石英ガラスを型材料に用いて熱膨張による誤差を低減し、レーザを利用して型を透過して直接成形材料の加熱を可能とする。目標とする成形品の、サイズのオーダをミクロンからサブミクロンに設定し,これを歩留まりよく大量に転写することを試みる. 初年度である今年は,まず,本加工法の中核をなすUVレーザの熱エネルギー特性について詳細に検討を行った.具体的には,UVレーザをガラスに照射した直後からの熱伝播モデルを構築し,シミュレーションを行った.熱伝播モデルの妥当性の検証は十分ではないが,次年度予定しているエンボス加工機の仕様策定を行ううえで必要な情報を抽出することが可能となった. 次に,焦点位置,周波数,照射エネルギー,送り速度などを加工条件として変化させながら,UVレーザの加工特性を実験的に獲得した.この実験結果をもとに,UVレーザの加工モデルを構築し,UVレーザの加工特性をシミュレーション可能とした.焦点極近傍では加工特性が不安定になり制御性がよくないこと,焦点よりずらすことによって制御性の向上とともにクラック生成を抑制できることも分かった. 実験の結果を踏まえて,UVレーザによって創成可能な形状について検討を行った.この結果を利用すれば,創成可能な形状についてはUVレーザのみで型加工から成形加工までを一貫して行える可能性があることが分かった.
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