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2003 年度 実績報告書

電圧印加によるシリコン表面の親疎水変化を利用したマイクロ/ナノアクチュエータ

研究課題

研究課題/領域番号 15686008
研究機関東京工業大学

研究代表者

神谷 大揮  東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60282860)

キーワードマイクロマシン / ぬれ変化 / シリコン表面 / 水滴 / 直流電圧 / 界面張力 / ナノプローブ / 液中電位
研究概要

純水やイオンを含む水溶液の液滴をシリコン基板表面に滴下し,液滴-シリコン基板間に電圧を印加すると,ぬれの状態に変化が生じる.本研究ではこのぬれ変化を利用したマイクロ/ナノアクチュエータの実現を目指している.とのぬれ変化の解明のために,3電極法により,直流電圧の掃引速度を変化させた実験をおこなった.また,シリコン-液滴界面100nm以内の液中電位の測定と,この液中電位に対するシリコン基板電位の制御のために,微細加工技術により先端径50nmの電位測定用プローブと,プローブ先端の位置決め装置の試作を行った.
液滴に浸漬した計測部径100μmの白金参照電極の電位に対して,シリコン基板の電位を速度を変えて掃引した.水滴のぬれ変化が起こる正電位の数ボルトの範囲で,時定数の大きなキャパシタンスとしての電気特性を示した.このときの充電速度は掃引速度に比例した.掃引速度が0.01V/s程度以下では,水滴のぬれ広がりは起こらず,充電電流は連続的である.一方,水滴のぬれ広がりが観測される0.02V/s以上の掃引速度では,スパイク状の電流変化とともに,水滴の断続的なぬれ広がりが観測される.本結果から,電圧印加による水滴のぬれ広がりには,熱力学的に不連続かつ不可逆な現象としてのモデル化が適当と推論した.
先端径50nmの電位測定用プローブの試作を行った.市販の石英の近接場光プローブを利用して,表面に白金を蒸着し,さらにその外側に絶縁層としてふっ化マグネシウムを蒸着した.さらに先端部をイオン収束ビーム加工により削ることで,50nmの測定部を持つプローブを製作した.また,プローブの位置決め機構として,二つの圧電素子を直列に配置した素微動機構を有する小形の位置決め装置を試作した.今後,本装置によりシリコン-液滴界面100nm以内の液中電位の測定と,この液中電位に対するシリコン基板電位の制御を行い,界面近傍の特性を明らかにする.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Daiki Kamiya: "Exprimental Observation of the Electrical Properties of Electrowetting on Silicon Single-crystal Substrates"Proceedings of the Forth International Symposium on Contact angle, Wettability and Adhesion. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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