研究概要 |
腕で特異姿勢近傍の姿勢をとるか,あるいは自由度を縮退させることにより,ヒューマノイドロボットが全身で大きな力を出す全身協調力制御について研究をおこなった.自申度縮退を利用した全身協調力制御の例として,壁押し作業とバルブ開閉作業を解析した.開発済みの動力学シミュレータ,および現有ヒューマノイドロボット才華3でシミユレーションおよび実験を実施した.まず,壁押し作業とバルブ開閉作業の動力学シミュレーションを行った.壁押し作業では,力を出す方向に腕の軸を一致させ,ひじを伸ばして自由度を縮退させたときに最も大きな力が出せることを確認した.バルブ開閉作業においては,腕を折りたたみ,腕の軸方向に力を作用させることで,バルブに大きなモーメントを作用できることを示した.さらに,ある力を手先で出すために必要なアクチュエータトルクを最大トルクで割ったものの2乗和を評価指標とし,それを最小にするような全身姿勢を逐次2次計画法を用いて求める手法を提案し,壁押し作業に対して最適な姿勢を求めた.これらの結果を実機で確認するために,現有ヒューマノイドロボット才華3でバルブ開閉実験を行った.プラント内のバルブを再現した実験装置を製作し,シミユレーションと同様に一般の姿勢,自由度を縮退させた姿勢で,バルブに作用できる力を比較した.また,シミュレーションと同様の最適姿勢探索手法を用いて,バルブ開閉作業での最適姿勢を求めた.
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