研究概要 |
本年度は,磁界解析と並行して,高推力直動モータ(スパイラルモータ)を設計し,試作を行った.有限要素法による磁界解析には,磁界解析システムを用い,設計において重要なパラメータである,スパイラルのピツチ,ギャップの大きさ,永久磁石の厚さ,極数等について検討を行った.これまでに4相モデルについて検討を行ってきたが,制御回路や加工性の観点から,6相スパイラルモータについても検討を行い,理論解析および磁界解析による推力特性の導出を行った.その結果,理論解析に比べ磁界解析では推力の大きさが75%程度になることが明らかになった.さらに,回転子が進行するにしたがって,回転子には吸引力が働くこと,推力とトルクには電気角で60度毎に脈動が発生することなどが明らかになった.スパイラルモータの試作機に関しては,回転子および固定子を螺旋状に加工することが大変難しかったが,回転子は切削により製作を行い,また,固定子は鋼板により製作を行った.また,回転子は磁束の流れを制御するために非鉄材料を組み合わせて製作した.さらに,制御回路などの実験システムの構築を進め,一部は来年度も引き続き開発を行っていく予定である.一方で,制御方法について検討を行い,2自由度制御によるギャップ制御法および推力制御法を提案した.理論モデルに基づいて制御対象をモデル化し,電流制御系および推力制御系を提案し,シミュレーションによりその有効性を示した.次年度以降,実機により制御法の検証を進める予定である.以上の成果は,先端モーションコントロールに関する国際会議および複数の国内学会にて発表を行った.また,システム制御に関する展示会にも出展を行った.
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