研究課題
平成16年度においては、河川上流域を対象にリターの落下・流下・堆積の局所性を調べるための詳細な観測を実施し、データを収集した。フィールドは、埼玉県入間市周辺を流れる柳瀬川の上流で、2次流域に相当する270mを区間を設定した。河床勾配は1%以下、流量が0.04m3/sec程度であり、比較的他の河川よりも緩やかで流量も少ない。河岸の森林はケヤキが最も多く、次いでサクラ、ブナ、コナラ、スギが繁茂していた。調査項目:1)河川を10mごとにポイントを分け、流速と水深を調査毎に測定した。2)河川のリーフリターの供給状況調査は、河岸の上流から下流にかけて約10mごとに任意で計38ヶ所のかごの設置をしてリーフリターの落下量を測定した。3)河川内にネットを設置し、1時間毎に2回リーフリターの流下量をサンプリングしてそれぞれの乾燥重量を測定した。4)河床内のリーフリターの堆積量を算出するために、主に堆積しているポイントを数箇所選定し、写真撮影とサンプリングを行った。5)河床の砂礫については有機物の滞留ポイント別にサンプリングを行い、その後粒径分布を調べ各粒径の強熱減量の測定を行い有機物の割合を見積もった。6)また各々の粒径のC/N比をCHNコーダーで測定し、有機物の割合と比較することで有機物の分解に関する関係を求めた。7)滞留ポイントの間隙水を採取し、TOCを測定した。結果:落葉期におけるリターについて、その総供給量の78%が樹冠からの落葉であり、総供給量の66%が貯留されたことになった。堆積する位置の特徴として、浮石が多数ある瀬、淵、湾曲部の内側と外側、後流域がある。なお、浮石以外のポイントでは、リーフリターとともに細かい砂礫も集積していた。堆積地点にはFPOMも多く、粒径が小さくなるほどAFDMの割合が高くなった。DOMは瀬と淵で大きな違いが見られないが、湾曲部に堆積している間隙水のDOMは高かった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
水工学論文集 49
Environmental & Experimental Botany 52
ページ: 225-238
J.Freshwater Ecology 19・3
Aquaculture 232
ページ: 441-453