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2003 年度 実績報告書

完全置換型人工肝臓開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15686035
研究機関九州大学

研究代表者

井嶋 博之  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10274515)

キーワード人工肝臓 / 肝細胞 / 繊維芽細胞増殖因子 / ゼラチン / 徐放性スカッフォルド / 血管新生 / 肝機能発現 / 共培養
研究概要

(1)共培養系の最適化:肝細胞と骨髄細胞群との共培養について検討した。ダルベッコ変法イーグル培地に上皮細胞増殖因子,インスリン,L-プロリン,ヒドロコルチゾンおよび体積分率で20%の非働化ウシ胎児血清を添加した培地を用いて,肝細胞と骨髄細胞を1:10にて混合播種することにより肝機能発現および維持に効果的な共培養系の最適化に成功した。これにより,肝細胞組織体であるスフェロイド以上の肝機能発現が3週間以上良好に維持できる培養系を確立できた。
(2)サイトカイン徐放性スカッフォルド開発:溶媒キャスト・粒子溶出法により作製したポリ乳酸多孔質体(スカッフォルド)の内外表面を酸性ゼラチンにて被覆した。この材料に中性環境下で塩基性繊維芽細胞増殖因子を加えることで静電的にゼラチンと結合させた。塩基性繊維芽細胞増殖因子のかわりにシトクロムCを用いた最適化の検討により,ポリ乳酸多孔質体の内外表面全てがゼラチンに覆われ,シトクロムCがスカッフォルド全体に均一に固定化できた。さらに,コラゲナーゼ添加によるゼラチンの分解とそれに伴うシトクロムCの徐放を実現できた。また,ゼラチンディスクを生体内に埋植した場合,6週間ほどで生分解されることが確認された。以上より,サイトカイン徐放スカッフォルドが開発できた。
(3)血管新生誘導(移植):サイトカイン徐放性スカッフォルドをラット皮下および腹腔内に移植することにより,スカッフォルド内への血管新生を有意に増加させることに成功した。さらに,遠心分離器を用いた肝細胞播種方法を開発し,スカッフォルド全体に肝細胞を均一に固定化できた。70%肝切除直後のラット腹腔内に肝細胞固定化サイトカイン徐放性スカッフォルドを埋植することで,スカッフォルド内血管新生の増強ならびに肝細胞の生着を実現できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Murakami, H.Ijima, T.Ono, K.Kawakami: "Development of co-cultured system of hepatocytes with bone marrow cells for expression and maintenance of hepatic functions"International Journal of Artificial Organs. (印刷中).

  • [文献書誌] H.Ijima, M.Nakashima, S.Furuta, T.Ono, K.Kawakami: "Hydrothermal synthesis of porous hydroxyapatite plates from gypsum : Use as an animal cell culture substratum"Journal of Chemical Engineering of Japan. (印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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