研究課題
固体酸化物燃料電池(SOFC)の動作温度は800℃と高温であり、燃料の多様性が期待できる。固体炭素が反応に利用できれば固体炭素を燃料とした新しい燃料電池を提案できる。熱分解炭素の燃料極へのチャージングと発電を繰り返すことができれば、二次電池における充電を熱分解反応に置き換えることになり、充電時間の短縮が期待される。さらに、固体燃料はエネルギー密度が高いため、小型ポータブル電源としての可能性が期待できる。Ni/YSZ燃料極およびNi/GDC燃料極を用いてドライメタンの熱分解によって析出した熱分解固体炭素を直接燃料とする発電に成功した。Ni/GDC燃料極を用いることで、Ni/YSZ燃料極を用いたときに比べ8.6倍の最大出力密度が得られ、一回の熱分解後の発電における電荷移動量が最大で64mAh/cm^2となり、Ni/YSZ燃料極に比べて29倍(有効炭素質量にして8mg)に増加させることに成功した。燃料極にNi/GDCサーメットを用い、発電中のArの流量と発電特性の関係を調べた結果、下記のようなことが分かった。1.一回の発電による電荷移動量は、電流密度には大きく依存せず炭素析出時間の増加とともに増加した。2.燃料極に供給するAr流量には最適値が存在し、9.3mA/cm^2では5〜10sccm程度であった。
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