• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

遺伝子導入動物から迫る概日時計の新規構成分子

研究課題

研究課題/領域番号 15687002
研究機関東京大学

研究代表者

岡野 俊行  東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (40272471)

キーワード概日時計 / メラトニン / リン酸化 / ゼブラフィッシュ / トランスジェニック / サーカディアンリズム / 松果体 / 光受容
研究概要

交付申請書に記載の研究計画に従い研究を遂行し、以下の知見を得た。
(1)新規時計関連タンパク質群の解析
研究代表者らがこれまでに同定した概日時計蛋白質E4BP4の機能解析を行った。E4BP4を特異的に認識する抗体を作成し、蛋白質レベルにおける挙動を検討した結果、光感受性の時計組織であるニワトリ松果体においてE4BP4蛋白質は、mRNA発現より数時間遅れて日周変動し、光により蛋白質レベルの誘導を受けることが判明した。さらに、E4BP4は時刻依存的にリン酸化されており、それにはカゼインキナーゼIが関与していること、およびリン酸化によって蛋白質分解が促進されることを発見した。これらのことからE4BP4は蛋白質レベルにおいても約一日周期でダイナミックに変化する分子であり、生物時計の中心的役割を担う分子の一つであると考えられた。
(2)個体レベルにおけるメラトニンリズムの生理的意義
研究代表者らはこれまでに、時計蛋白質BMAL1のドミナントネガティブ分子を松果体特異的に発現するトラジスジェニックゼブラフィッシュを作製し、そのメラトニンリズムが消失していることを見いだした。そこで次に、このリズム消失が全身の末梢時計に与える影響を調べるため、心臓における時計遺伝子発現の変動を調べた。その結果、トランスジェニックゼブラフィッシュにおいても時計遺伝子は日周変動していることが判明し、松果体以外の時計は正常に発振していることが示唆された。このことから、ゼブラフィッシュにおいてメラトニンリズムは末梢時計の発振には必須でないと考えられた。また、ゼブラフィッシュ個体レベルにおける行動リズムに与える影響を調べるために、行動リズム測定記録装置を完成させた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toshiyuki Okano: "Chicktacking pineal clock"J.Biochem.(Tokyo). 134. 791-797 (2003)

  • [文献書誌] 岡野俊行(分担執筆): "「時計遺伝子の分子生物学」のうち「時計遺伝子総論:脊椎動物」の項を分担執筆"シュプリンガーフェアラーク東京. 204(8) (2004)

  • [文献書誌] 深田吉孝(分担執筆): "「図説分子病態学」改訂3版のうち「視覚異常」の項を分担執筆"中外医学社. 502(6) (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi