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2003 年度 実績報告書

細胞多様性を生みだす神経幹細胞の時間変化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15687006
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

一色 孝子  国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (10342750)

キーワード神経 / 発生 / ショウジョウバエ / 系譜形成
研究概要

本研究は、ショウジョウバエ胚中枢神経系をモデル系として、神経幹細胞系譜が刻々と形成されるための分子メカニズムを明らかにすることを目指す。発生過程において、神経幹細胞の個性は常に一定ではなく時間とともに変化していく。このため,一つの幹細胞は多様な子孫神経細胞を一定の順番で作り出すことができる。これまで、ショウジョウバエでは、幹細胞で一過的に順次発現されるHunchback、Seven-up、Kruppel、Pdm、Castor、Grainyheadという6種の転写因子が神経幹細胞系譜の逐次的形成を司る因子として明らかにされている。これらの因子は時期特異的に発現されることで幹細胞に時間的な個性を与えているが、そのような因子がまだ多数存在することが予想されていた。そこで、本研究では、新規の時間特異性決定因子を同定することを目的として、転写産物の発現パターンを指標として神経系で広範囲に時期特異的に発現される遺伝子をゲノムワイドに探索した。その結果、複数の線虫heterochronic遺伝子のショウジョウバエホモログを候補として見いだすことができた。heterochronic遺伝子群は、線虫の幼虫発生において細胞に時間的個性を与える役割を持つ遺伝子群である。このことから、上記の転写因子群ならびにheterochronic遺伝子群を含む分子機構が、種を超えて保存されている時間的発生システムである可能性が強く示唆された。見いだした遺伝子のうち、lin-28は神経分化細胞特異的なHunchback下流因子、lin-29は後期系譜形成を司る因子であることを示す結果を得ている。現在、同定されたheterochronic遺伝子群と上記転写因子群との関係をさらに詳しく明らかにすべく、heterochronic遺伝子群ホモログの遺伝学的解析を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takako Isshiki, Chris Q.Doe: "Maintaining Youth in Drosophila Neural Progenitors."Cell Cycle. 3巻3号. 296-299 (2004)

  • [文献書誌] 一色 孝子: "神経幹細胞システムによる神経細胞特異化の分子機構"蛋白質核酸酵素. 49巻3号. 228-233 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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