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2004 年度 実績報告書

植物の病害抵抗性遺伝子複合体の同定による病原体の認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15688002
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

川崎 努  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (90283936)

キーワードイネ / いもち病 / 抵抗性遺伝子 / 複合体 / 病原体認識
研究概要

植物は、抵抗性遺伝子産物を介して病原体の侵入を認識し様々な防御反応を誘導する。近年、抵抗性遺伝子産物は大きな複合体を形成し、病原体の多様なシグナルを認識している可能性が示唆されている。しかし、抵抗性遺伝子産物がどのような因子と複合体を形成し、どのようにシグナルを伝達しているかについては、ほとんど明らかになっていない。本研究では、イネといもち病菌の系を用いて病原体認識の総合的なメカニズムの解明を試みる。
いもち病抵抗性遺伝子Pi-aの候補として考えられたRPR1遺伝子は、核酸結合部位(NBS)とロイシンリッチリピート(LRR)をもつ典型的な抵抗性遺伝子をコードしている。RPR1の過剰発現体は、Pi-aに依存した過敏感反応を誘導しないものの、親和性いもち病菌に対して抵抗性を誘導し、防御遺伝子の発現が上昇していた。これは、RPR1がPi-aを相補することが出来なかったものの、過剰発現により抵抗性シグナルを伝達できることが明らかになった。一方、抵抗性誘導のキーレギュレーターとして機能している低分子量Gタンパク質OsRac1と相互作用する因子の探索により、5種のNBS-LRRタンパクが同定された。そこで、OsRac1とRPR1の相互作用を調べたところ、OsRac1はRPR1のNBSドメインと強く結合することが明らかになった。このことは、OsRac1がRPR1と複合体を形成し、認識シグナルを下流に伝達していることが示唆された。他のNBS-LRRとOsRac1の相互作用を調べたところ、多くのNBSドメインがOsRac1と相互作用することが明らかになった。また、OsRac1は他の抵抗性遺伝子産物の調節因子と相互作用することが明らかになっており、NBS-LRR構造をもつ抵抗性遺伝子産物はOsRac1と複合体を形成し、病原体認識および抵抗性誘導を行っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004 2003

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Proteome analysis of programmed cell death and defense signaling using the rice lesion mimic mutant cdr22005

    • 著者名/発表者名
      H.Tsunezuka
    • 雑誌名

      Mol.Plant Microbe Interact 18

      ページ: 52-59

  • [雑誌論文] Downregulation of metallothionein, a reactive oxygen scavenger, by the small GTPase OsRac1 in defense signaling of rice2004

    • 著者名/発表者名
      H.L.Wong
    • 雑誌名

      Plant Physiol. 135

      ページ: 1447-1456

  • [雑誌論文] Hyperphosphorylation of a mitochondrial protein, prohibitin, is induced by calyculin A in a rice lesion-mimic nutant, cdr1.2003

    • 著者名/発表者名
      A.Takahashi
    • 雑誌名

      Plant Physiol. 132

      ページ: 1861-1869

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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