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2004 年度 実績報告書

食物アレルギー発症・寛解メカニズムの解明および抗アレルギー食品設計基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15688004
研究機関広島大学

研究代表者

田辺 創一  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (90272624)

キーワード牛肉アレルゲン / アミノ酸置換 / 末梢血リンパ球 / 低アレルゲン化小麦粉 / 小麦アレルゲン / IgE結合エピトープ / 醤油醸造
研究概要

1.食物アレルギー発症メカニズムの解明および減感作ワクチン作製の試み
1-1.牛肉アレルゲンであるウシ血清アルブミン(BSA)の主要なIgE結合エピトープEXXVを含むペプチド2種、即ち、HPEYAVSVLLおよびVMENFVAFと、これらに含まれるE残基をDに置換したアナログペプチドを合成し、これらのペプチドを患者末梢血リンパ球(PBMC)培養液に添加し、増殖応答およびサイトカイン変動を解析した。その結果、D残基により増殖が亢進し、サイトカインバランスがTh1へシフトする可能性が示唆された。
1-2.小麦繰り返し配列
小麦グルテンより、QQPFPおよびPQQPF配列をIgE結合エピトープとして新たに見出した。
2.食物アレルギー寛解メカニズムの解明
2-1.低アレルゲン化小麦粉の負荷により症状の改善が認められた患者について、負荷前と負荷途中とで、患者末梢血リンパ球(PBMC)の遺伝子発現に変化がみられるかどうかを、昨年度に引き続きDNAチップ解析に供し解析した。
2-2.低アレルゲン化小麦粉の負荷(臨床試験-1)
3ヶ月間の投与試験を行った。80%以上の患者で有効であることが明らかとなった。
3.抗アレルギー食品設計基盤の確立
抗アレルギー食品設計の一環として、醤油中の小麦アレルゲンに着目し、醸造中アレルゲンの消長を詳細に解析した。その結果、醸造終了時には小麦アレルゲンが完全に消失していることを3種類の免疫学試験により証明した。
4.新規評価系の構築
肥満細胞上のIgE抗体に抗原が結合・架橋化する時に生じる肥満細胞内のシグナル伝達を解析する目的で、電気生理学的装置を用いる解析システムの構築を試みた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Hypoallergenic and T cell reactive analogue peptides of bovine serum albumin, the major beef allergen2004

    • 著者名/発表者名
      Soichi TANABE
    • 雑誌名

      Molecular Immunology 41

      ページ: 885-890

  • [雑誌論文] Degradation of wheat allergen in Japanese soy sauce2004

    • 著者名/発表者名
      Makio KOBAYASHI
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Medicine 13・6

      ページ: 821-828

  • [雑誌論文] IgE-binding abilities of pentapeptides, QQPFP and PQQPF, in wheat gliadin2004

    • 著者名/発表者名
      Soichi TANABE
    • 雑誌名

      J.Nutr.Sci.Vitaminol. 50

      ページ: 217-220

  • [雑誌論文] Hypoallergenic cupcake is a useful product for wheat-sensitive allergic patients2004

    • 著者名/発表者名
      Akemi YAMAMOTO
    • 雑誌名

      J.Appl.Res. 4・3

      ページ: 518-523

  • [図書] 植物アレルギ-の治療と管理(小林陽陽之助監督)2004

    • 著者名/発表者名
      田辺創一
    • 総ページ数
      289
    • 出版者
      (診断と治療社)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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