研究概要 |
Lyse-N-Go^<TM>PCR/DGGE法による有毒渦鞭毛藻類付着、共生細菌の同定、多様性解析を行った。広島湾から分離したAlexandrium tamarenseの単藻培養から、藻類細胞を顕微鏡下で1個だけ採取、洗浄後、溶菌とPCR反応を行い、藻類の細胞内、細胞外に存在する細菌群集の16SrDNAを増幅した。増幅産物をDGGE法によって分離、塩基配列を決定し細菌種の同定と系統解析を行った。さらに、異なるクローン間、培養時期による菌相の違いや、培地中の浮遊細菌相との違いを明らかにした。これらの解析の結果、共生細菌の可能性のある種として、Acinetobacter junii.、Delftia acidovorans、Stenotrophomonas maltophilia、Xanthomonas sp.に近縁なものが示唆されるに至った。さらに、透過電子顕微鏡による藻類細胞切片の観察によって、細胞内に細菌様粒子の存在も確認されたが、この粒子が上記の推定種であることを確認するには至らなかった。 以上の成果は、第19回日本微生物生態学会2003年10月(御手洗由香・西村崇之・谷口亮人・浜崎恒二「有毒植物プランクトンに共生する細菌の探索」)、瀬戸内海区水産研究所特別セミナー2003年11月(浜崎恒二(2003)「渦鞭毛藻類と海洋細菌の共生系に関する分子生態学的研究」)、第10回国際微生物生態学会2004年8月(Takayuki Nishimura, Koji Hamasaki "Bacterial community structures in the phycoshere of toxic dinoflagellate Alexandrium tamarense")において公開された。
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