研究課題
環境化学物質の内分泌撹乱作用スクリーニングは、クリアランスや代謝的活性化機構、さらに臓器・細胞別の受容体活性化機構をも含めた、個体レベルでの毒性スクリーニング手法の確立が不可欠である。そこで、本研究では、エストロゲン結合サイト下流にレポーター遺伝子を結合し、ゲノムに導入することで、エストロゲンによる転写活性化を個体レベルで検出することができるトランスジェニック動物を作成し、環境化学物質に関して、これらの要素を含めた個体レベルでのレポーターアッセイを行う系を確立することを目的とした。今回、エストロゲン結合サイト-ルシフェラーゼ遺伝子を導入し、ジエチルスチルベストロールなど合成エストロゲンを投与し、そのシグナルの誘導について調べ、phenotypingを行った。エストロゲンによって転写活性が個体レベルで検出できる1 lineを得た。周生期におけるエストロゲンについて、in vivo、ex vivoによりシグナル検出を行った。また、シグナルの検出のために、ルシフェリン以外に、蛍光を用いたin vivoイメージングについても検討した。Qdot800やAlexa750を含む様々な波長を持つ蛍光色素をラット新生仔あるいはマウスに取り込ませ、個体in vivoにおけるイメージングを試みた。胎生仔・新生仔期では、精巣からテストステロンが一時的に分泌され、脳に到達し、CYP19(アロマターゼ)によってエストラジオールに変換され、脳の性分化を引き起こすさまざまな変化がmRNA、蛋白合成レベルで起こることが報告されている。そこで、Gene Chip(マイクロアレイ)を用いて周生期の脳において、テストステロンシャワーによって引き起こされるmRNAプロファイルの変動のスクリーニングや、それらが環境化学物質によってどのように変動するか、その影響を調べた。
すべて 2006 2005
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