研究概要 |
新規のがん抑制遺伝子であるRB1CC1の細胞生物学的な機序、生体内における働きを明らかにし、将来的には治療、創薬にも結びつけることを目標として研究を行った。 作成したマウスRb1cc1遺伝子制限酵素地図ををもとにRb1cc1 targetin vectorsを構築し、これまでに4種類のtargeting vectorsを作成した。それぞれES細胞への遺伝子導入、組換えES細胞の樹立を図ってきた。各targeting vectorsにつき1,000個、計約4,000個の薬剤耐性クローンのscreeningを行ってきたが、いまだ冊Rb1cc1遺伝子相同組換えのおこったES細胞は樹立できていない。現在、version 5のconditional targeting vectorを構築している。同時にRed/ET systemを用いて、Rb1cc1遺伝子自身を含むBACを改変し、これをtargeting vectorとして応用することにより、ES細胞での組換え率を高め、組換えES細胞の樹立を図る計画も並行している。 また、最近分かってきたRB1CC1遺伝子の機能をもとに、RB1CC1を任意の部位、時期に強発現させることのできるtransgenic mouseの作成も進行中である。 RB1CC1の発現に対する2方向(knock-out : null, transgenic : overexpression)からのapproach解析により生体内でのRB1CC1分子の機能を明らかしたい。
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