研究課題
平面内で移動している複数の物体に対して、それらを移動ロボットにより効率よく回収(または、それらに接触)するという問題に対して、理論的な解析を進めた。特に本年度においては、移動物体に対して時間制約が付加されている場合を扱った。すなわち、移動物体はある時刻に出現し、そしてある経路に従って移動するのだが、ある時刻になったら消失するという問題設定である。具体的な問題設定として(1)移動物体の経路が直線で速さがロボットより速い場合(2)移動物体の経路が直線で速さがロボットより遅い場合(3)移動物体の経路が同心円で、速さは任意を考察した。(1)については0(n^2)時間アルゴリズムや0(nα(n)log n)時間アルゴリズムが存在することを示した。ただしnは移動物体の数で、α(n)はアッカーマンの逆関数である。(2)についてはNP完全性を示した。すなわちこの問題設定では、移動物体の速度により問題の複雑さが劇的に変化することを示したことになる。(3)についてもNP完全性を示すとともに、他のスケジューリング問題に対して知られていたアルゴリズムを流用することで、1.582近似ができることを示した。ここで、1.582近似とは、少なくとも最適解の1/1.582の移動物体を回収できるということである。
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電子情報通信学会技術研究報告 104・743
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Proc. Systemics, Cybernetics, and Informatics 2005 (to appear)
数理解析研究所講究録 1325
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作業時間制約付き移動物体回収問題のNP困難性 12-1A-01