研究概要 |
本研究の目的は,デバイス・ドライバの開発を支援するドメイン特化言語(domain-specic language)を実現することにある.一般に,ある特定の問題領域(ドメイン)に特化したプログラミング言語のことをドメイン特化言語と呼ぶ.ドメイン特化言語は,対象とするドメインに特化した抽象化や記法を持ち,汎用的なプログラミング言語よりも高い記述性を持つ.また,プログラムの正当性の検証など,汎用的なプログラミング言語では難しい高度な解析が可能となり,通常では検出困難な誤りを静的に検出できる場合が多い. 本研究では,デバイス・ドライバの開発に特化したドメイン特化言語を実現し,それによってデバイス・ドライバの開発効率を向上させ,その可搬性を高めることを目標とする. 本年度は既存のデバイス・ドライバについて詳細に調査を行った.この調査は主にLinuxを対象として行った.その結果,すべてのデバイス・ドライバを対象とした汎用的な言語を設計することは現時点では困難であり,対象を限定して調査をすすめるべきであるとの結論に達した.研究進展のための足がかりを得るため,比較的に簡単なドライバであるマウス用のドライバを対象に現在は調査を行った.この結果,ドメイン特化言語に必要な機能がある程度明らかになった.この機能を用いて,他のドライバにもどの程度適用できるのかを調査する必要がある.
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