研究概要 |
本研究は,複数の機器がネットワークで接続された環境において,適切な資源管理を行い,各々の機器の特徴を活かした有効な資源利用を実現することを目的としている.本補助金を受けた研究では,以下に示すように,プロセス管理,ファイルシステム,実時間システムの3つを中心に研究を行った. 複数の機器の資源を使用するプロマスが効率的に動作できるような環境の構築を行った.各機器で資源の抽象化を行い,資源操作を位置透過に行うための機構を構築し,これを用いてプロセス管理自体を位置透過に行うことのできる環境を構築した.本環境では,実際にプロセスを実行する機器を動的に低コストで変更することが可能である.また,複数の機器が持つデータの冗長性を利用することによって,対障害性を向上させる機構に関する研究も行った. また,機器の持つ資源を有効活用するための手法についても検討した.すなわち,各機器の持つ資源をその位置によらず,常に同一の方法で操作可能とし,複数の資源を利用したサービスを位置透過に実現できる環境を構築した.具体的には,デバイスを利用して実現されるサービスとして重要なファイル管理について検討し,位置透過に資源を管理しサービスを提供するファイルシステムを構築した. さらに,異なる環境を有する機器が混在する場合への対応に関する検討も行った.機器間の差異を吸収するために利用する仮想計算機としてJavaを用い,既存のJava仮想計算機の改良に取り組んだ.特に,ガーベジコレクションの処理方式に着目し,Javaアプリケーションがネイティブアプリケーションと混在する環境において,時間制約を考慮しつつオブジェクトを回収できるよう検討を行った.
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