研究課題
今年度は、昨年度の研究を踏まえて以下の3項目を実施した。1.昨年度に取り組んだ「免疫型診断モバイルエージェントを用いた自己監視」に対して、追加シミュレーションと理論的考察を行った。まず、提案手法と他の手法による診断性能が環境パラメータ(ユニット数やルール数)にどのように依存するかをより詳細なシミュレーションによって明確にした。そして、簡単な場合に対してパラメータ間の関係式を導出し、シミュレーション結果とほぼ一致することを確認した。これらの結果を整理して計測自動制御学会論文集とArtificial Life and Roboticsにて報告した。2.生物の免疫系が異物を中和して正常な状態に戻すことに倣い、上記の免疫型診断モバイルエージェントによって検出した異常ユニットを自己修復するアプローチを昨年度末に提案した。今年度は、まずこのアプローチを国際会議KES2004にて発表した。そして、他の手法(免疫型診断モデルではなく多数決モデルを用いる方法、モバイルエージェントではなくホスト間通信を用いる方法)との比較から提案手法がより多くの異常ユニットを修復できることを明らかにした。また、異常ユニット数の時間推移に対して数理モデルを構築し、シミュレーション結果の一部と一致することを確認した。これらの成果は国際会議KES2005にて発表予定である。3.今年度からエージェント間での効率的な情報伝播の方法を探るために、一次元確率セルオートマトンによっで情報伝播をモデル化し、様々な近傍側に対する伝播の成功回数と総発信回数を調べた。その結果、周辺セル(エージェント)からの受信数がある範囲内であった時に各セルが発信を行えば、情報伝播の効率が良いことが分かった。次年度にはエージェントの移動も考慮した2次元確率モデルによる解析を行う。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems (発表予定)
計測自動制御学会論文集 40・7
ページ: 729-738
Artificial Life and Robotics 8・2
ページ: 163-167
Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems, LNAI 3214
ページ: 504-510