研究概要 |
平成15年度は次の1,2に従って,研究を行った. 1.VoIPサービスにおけるサービス競合検出法の開発・実装 インターネット電話(VoIP)におけるサービス競合検出法の開発及び実装を行った.具体的には,VoIPのサービス記述言語CPL(Call Processing Language)を用いた開発環境において,サービス競合を「個々の単体サービススクリプトでは発生しない意味誤り」と定義し,複数のCPLスクリプトの統合,意味誤り検出ツールを実装した.オープンソースVoIPサーバVOCALとマイクロソフト社MS-Messengerによるテストベッド上で実験を行い,CPL間のサービス競合を提案手法を用いて実際に検出できることを確認した.これらの成果を,2件の国際会議(FIW2003,APSEC2003)で発表した.また,国際会議で得られたコメントを元に追加実験を行い,この成果を国際ジャーナルJournal of Computer Networksに投稿,掲載が決定している. 2.Webサービスの評価と性能メトリクス Webサービスにおけるサービス競合を実際に観測するために,複数のWebサービスの連携方式に着目した評価を行った.具体的には,ケーススタディとして,バス時刻表検索Webサービスを異なる連携方式を用いて開発し,性能や開発のしやすさなどの側面から評価を行った.また,Webサービスの品質を数値的に評価するためのソフトウェアメトリクスを4種類提案し,実験から得られた実測値に照らし合わせて有効性を検証した.検証の結果,提案メトリクスはWebサービスにおける競合を性質づけるための重要な指標となる見通しを得た.これらの成果をまとめて,電子情報通信学会の研究会(IN/NS研究会,3月)で2件の発表を行った.
|