研究課題
ネットワーク制御を行うMiddleboxの対象としてトラヒックエンジニアリングを実現する場合、動的経路制御のための経路変更とトラヒックの転送状況の計測が重要となる。今年度は動的経路変更の効果を解析的に明らかにし、その際必要となるパケット廃棄率特性の推定手法の提案と実装を行った。1.MPLS-TEにおけるパス切替手法の性能解析MPLS (Multi-Protocol Label switching)ネットワークにおける効果的なトラヒックエンジニアリング(TE)の実現のために、Ingress-Egress LSR間のプライマリパス(現在のIP経路制御における最小ホップ経路)を主に利用するが、プライマリパスの資源利用率が予め設定しなパス切替閾値を越えた場合にプライマリパス以外に利用可能な迂回パスのうちの1つを利用するtwo-phase path management手法を提案し、最適なパス切り替えタイミングを待ち行列理論を用いて定量的に評価した。また、その評価のために、先行研究において提案したShared 2×M/M/c/c待ち行列システムを拡張した閾値付きShared N×M/M/c/c待ち行列システムを評価した結果、迂回パス数が2、3本と比較的小規模なネットワークにおいては、プライマリパスの資源が不足した場合のみの迂回が効果的であるが、より規模が大きくなると、プライマリパスの資源利用率が8〜9割に達した場合に迂回することでフロー損失率を大きく改善可能であることを定量的に明らかにした。2.パケット廃棄率の推定手法の提案と実装パケットの転送遅延、廃棄率などを計測する一手法であるアクティブ計測手法においては、プローブの転送量を少量で、高精度に推定するために、プローブの転送を連続的に転送して計測される状態の相関を利用するパケットトレイン方式が有効である。しかし、パケット廃棄率など発生頻度が極めて小さい事象の推定には、それでもなお多くのパケットトレイン転送を必要とするが、ここでは、パケットトレインの転送遅延から廃棄率特性を間接的に推定する手法を提案し、テストベッドネットワークでその有効性を検証した。
すべて 2004
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Telecommunication Systems - Modeling, Analysis, Design and Management Issue 3-4
ページ: 209-230
SPIE ITcom2004 Performance, Quality of Service, and Control of Next-Generation Communication Networks Vol.5598
ページ: 194-203