研究概要 |
本研究では,モーションキャプチャシステムを用いた動作記録手法の確立と記録した動作データを動作素材として再利用可能にすることを目的として,身体動作素材(舞踊符)データベースの構築ならびに舞踊符による動作記述法の提案を行っている. 1.身体動作データベースのコンテンツとするために,モーションキャプチャ装置により空手道の形を対象として動作データの記録を行った.モーションキャプチャシステムの利用に関しては(株)わらび座の,そして空手道の形の実演に関しては日本伝剛柔流空手道巧志会(本部大阪府)の協力を得て,3名の空手道高段者による11種類,合計23の形の記録を行った.記録した形の動作データに次に述べる動作分割点検出手法を適用することにより,空手道の基本動作素材データベースを構築することが可能になる. 2.従来,舞踊符の作成は対象動作に関する知識を有するものが目視により一連の動作から動作分割点を決定して行っていたため,時間と労力を要する作業であった.これを解決し,効率的に動作データベースを構築するため,動作分割点を自動検出する手法を提案した. 提案手法は目視による分割と同等の動作分割性能となることを目標とし,はじめに動作データを調査し,身体部位の位置と回転の変化において目視による動作分割点がどのような特徴を示すのかを明らかにした.次にその特徴を利用して動作を分割するアルゴリズムを考案し,その性能について評価する実験を行った.その結果,提案する動作分割点の検出手法が基本動作分割への有効な手法となり得ることがわかった.提案手法により基本動作(動作プリミティブ)に分割した動作データをデータベース化することにより,動作素材として再利用可能にする.
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