携帯電話から遠隔計算機を操作するためのビジュアルプログラミング技法の実現のために、以下の研究を行った。 1.図形の構造解析の高速化 ビジュアルプログラミングにおいて、ユーザによって入力されるプログラムは図形の組み合わせである。本研究では、入力される図形の構造解析を行うアルゴリズムに関して研究を行った。平成15〜16年度の期間に実現したアルゴリズムでは、開発者が与えた文法記述(入力として正しい図形の組み合わせ方をシステムに教えるための規則の集合)を予め解析する。これによって、図形が入力される度に、いずれかの規則を満たすか否かを場当たり的に解析するよりも、高速な解析が可能となった。 2.ビジュアルプログラミングの仕様定義を容易にするインタフェース ビジュアルプログラミングでは、ユーザによって入力される図形の構造解析を行い、その解析結果に応じた動作を行う。本研究では、「入力図形とそれに対する動作」を対にした規則の集合を与えることによって、ビジュアルプログラミングシステムを構築できるようなコンパイラ・コンパイラとしての特色を持つ。平成16年度では、この規則を、図形を画面に描くのみで、定義することを可能とするインタフェースを構築した。開発者は、ひとつの規則を定義するために1)入力図形を描く、2)その図形に対して行うべき動作を図式表現で示す、という2段階の作業を行えば良い。本研究では、このシステムを実現し、幾つかのビジュアルプログラミングの仕様定義が可能であることを確かめた。
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