前年度までに行った周辺線分の曲率を考慮した線の延長可能性場の発生手法にについて、今年度はその改良と、延長可能性場の値の高い地点を通る滑らかな線分の生成方法について実験を行った。また線の延長は線の端点から発生することが経験上妥当であることから、画像に対して端点情報を付加し、その情報を利用して処理を行うように変更を行った。この変更は処理速度を早めることにも貢献している。 端点情報を与えたことで、線の延長を二端点から線を延ばして結ぶ場合と、一端点から線を延ばす場合との二種類に分類することを新たに行った。この分類は画像中の端点と他の線分との位置関係を用いて自動で行われる。 また、二種類の線の延長それぞれにおいて線の延長可能性場の定義を異なるものとした。すなわち、二端点間の接続の場合には注目点において、互いに逆向きとなる二つの方向からの影響がある時に場の値を高め、一端点からの線の延長の場合には、あるの方向からの影響の最大値により場の値を決定するように変更を行った。 さらに、場から連続的な線分を抽出するためにSnakes法のように線の場を用いた線の抽出方法を適用し、場の尾根を検出して結ぶ実験を行った。その結果、本研究の場は連続性を有していることから従来のコンピュータビジョンにおける手法に対して応用が容易であることを確認できた。
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