研究概要 |
超高精細力覚提示システムを試作した.これにより,・従来は提示できなかった非常に硬い仮想壁を提示できること. ・従来提示できなかった精細な物体形状を提示できること. ・制御パラメータを変えることで,様々な材質を提示できること. ・振動により硬さが強調される可能性があること. を確認した. 試作システムでは電流を制御し電圧を計測する回路を用い,力の提示と速度(=振動)の計測を行う.試作システムでは非常に高い周波数の信号を変換できるDCコアレスモータを使用して振動を電気信号に変換した.また位置の計測にはエンコーダとカウンタを用いた.また,高速D/Aコンバータとリニア駆動回路によってモータを駆動することで,従来のPWM駆動では不可能だった1kHz〜10kHzの高周波の振動提示を可能にした. 試作システムは,従来のシステムでは20000N/m程度が限界であった安定に提示可能な仮想壁の硬さを,200000N/m以上に引き上げた.また,制御パラメータや目標位置を空間座標に応じて変調することにより,物体表面のテクスチャが表現できた. また,試作システムでは,制御用に専用CPUを採用し,PCとの接続をUSB2.0インタフェースで行うことで,PCに負担をかけずに力覚提示装置の制御を行うことができた.試作システムは1kHzの周期で,PCから仮想壁の位置・向き・硬さを取得し,専用CPUによって10kHzで制御を行う.これにより,PCでは実現できない高速制御を簡単に実現できた.
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