研究課題
前年度、われわれはカーネル法に基づくリンク解析手法を考案し、同手法が、既存の文献重要度算出手法(KleinbergのHITSアルゴリズム)と一定の条件の下で類似した結果を示すことを実験によって示した。しかしながら、これらが実際に一致するか否かについての数学的な証明が欠けていた。このため本年度は、主として、提案したカーネルにもとづくリンク解析手法の性質について、数学的な裏づけを与えることを目指した。具体的な成果として、Neumannカーネルに基づくリンク解析手法が、同カーネルのもつパラメータの極限において、厳密にHITSアルゴリズムと同一の文献重要度ランキングを与えることを示した。また、同手法の実用に向けた試みとして、リンク解析用カーネルの各種の近似計算法とその精度を評価するための準備および予備実験を行った。あわせて、昨年度考案した参考文献同定手法を用いて研究代表者の所属する研究室の文献データベースの一部にOCR読み取り結果から自動抽出した参照関係リンクを付与した。同データベースはWWW経由で研究室外からも参照可能である。また、より目的指向の文献検索を支援するための試みとして、有効な検索キーワード候補を効率的に枚挙し利用者に提示するためにデータマイニングおよび自然言語処理技術の応用をこころみ、医学文献抄録データベースであるMEDLINEを題材に評価を行った。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
人工知能学会論文誌 19巻6号
ページ: 530-539
Proceedings of the 2^<nd> Workshop on Mining Graphs, Trees and Sequences (MGTS' 04)
ページ: 13-24
Proceedings of the 2004 Pacific Knowledge Acquisition Workshop (PKAW2004)
ページ: 1-13