研究概要 |
本研究では,RFID情報システムのための基盤技術をデータ工学の観点から研究した.具体的には,RFIDの信頼性を確保するために最低限必要な現実世界の知識をモデル化し記述する方法を開発し評価した.たとえば,コンテナ内の物品の個数を記述することで,コンテナ内の物品が認識に失敗した場合にはそのことを検知できるし,商品陳列棚からレジを通りスーパーの出口を通るという物品のフローを記述し各地点にリーダを設置することで,レジでの一括清算にもれた商品を検知できる.RFIDの信頼性を保証するために必要な現実世界の知識をモデル化する.モデル化に当たっては,簡単な無線通信の実験を行い,リーダとRFIDタグの通信の特性を調査した.その結果を踏まえモデル化を、有向グラフにマッピングすることにより行った。有向グラフは、ノードがリーダに対応し、枝がリーダ間の可能な通路に対応する。この情報をシステムが知っておくことにより、リーダがタグを読み落とすようなエラーを自動的に検知することができるようになる。次にこの方法のエラー検知可能性を解析し、エラー検知率の上限を導いた。また、提案手法をシミュレーションにより評価したところ良好な結果を得た.
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