平成15年度の研究は研究計画に従って行いました。まず、介護支援システムのフレームワークの設計を行いました。本システムの使用環境は室内と特定されているためビデオカメラの設置は固定方式を採用しました。または、24時間作動を考えて、テスト用ホストはサーバー系マシン(DELL Poweredge600)を採用し、OSは動作が比較的に安定なLinux系(TurboLinux 7.0 Workstation)を採用しました。カメラはCMOS、CCD素子を搭載したものをテストし、現在はオートフォーカス機能とホワイトバランス機能を有し、ソフト的に修正が少ないDVカメラを採用している。次は、コーアエンジン及び周辺ドライバの開発を行いました。これは、ビデオ信号をキャプチャボードでA/D変換を行い、デジタル信号としてメインプログラムへ渡し、処理結果を出力するまでの一連のコーディング作業を言います。各作業を行う前に、基本設計を行い、インタフェース間のスムーズなデータ交換を図っています。特に、高速処理のため、データの入力及び演算はすべてメモリ上で行うように工夫し、または、中間結果を確認するためのインタフェースも設けています。最後に、APIの作成を行いました。DCT変換を使ったリアルタイム周波数解析なので、振幅及び符号の変化は動くパターンによって大きく変化します、よって、定量的に分析を行う前に、振幅と符号情報をグラフィック化し、目による定性的な評価を行い、情報の抽出個所を絞り込みました。これらの情報を利用し、現在、ビデオカメラの軸に垂直した水平、垂直、斜めなどの動きについて、検出が出来ました。なお、ビデオカメラ軸に平行した動きは、移動量がないため検出は難しくなります、これを解決するため、垂直設置の2カメラシステムの構築を検討しています。
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