研究課題
平成16年度の研究は前年度の研究成果を基に行いました。動きを検出する場合、単なる2フレーム間差分を利用するだけでは、検出対象の揺れや、移動方向と違った体のブレが検出精度に影響を与えます。そこで、検出対象の典型的な動きを10から20の連続フレームを利用して、周波数解析による時系列パターンを作り、動き検出データベースにテンプレートとして登録します。こうすることで、一定の期間の動き状態をもとにした参照パターンができ、検出精度の向上が期待できると考えられます。ただし、動き検出する際には、フレームレートと同じ数の時系列パターンを作り、照合することになるので、現段階では、フルフレームレートでリアルタイム処理は出来ません。将来的には、処理過程の最適化やハードウェアの性能向上により解決できると思われますが、それまでは、DVカメラを利用して撮影したAVI動画を用いて、擬リアルタイム環境を構築し、本提案の有効性を検討します。また、Linux環境では、動画ファイルを扱うAPIの数が少なく、関連情報も十分でないため、開発環境の移行が必要となりました。以前開発したコードの再利用と豊富なAPIを持つ開発ツールの点を考量して、BSDベースのMac OS Xに決定しました。現在、移行作業をほぼ終了し、薪環境の実行テストを行っています。また、今年度はスケジュールにある寝たきり状態の人の表情を検出する開発を行いました。表情検出するには、先ず顔の検出を行わなければなりません。特に周波数解析を用いた場合、位置精度は直接検出精度に影響を与えます。このような先決条件があったので、今年度は顔位置の検出に重点を置きました。基本方針として、色信号を用いて顔領域を探索、それから、空間分離度フィルタを用いて、目の候補点を列挙、つぎにテンプレートマッチングとガイドパターンを使って、目の位置を決定。最後に、この位置情報を基に顔画像を正規化し、入力とします。100人の顔画像を用いて実験した結果、8割以上の目の位置決定に成功しています。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Proc.of ISCIT2004 Vol.6, No.4
ページ: 427-430
Proc.of ICARA 2004 Vol.1, No.PS-2
ページ: 240-243