グラフィックスハードウェアの発達により、3次元物体モデルが様々なソフトウェアやインターネットコンテンツとしてデスクトップコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話などで利用されるようになってきた。これまでは、3次元物体モデルを作成するために多くの作業と時間が必要であったが、CADなどのソフトウェアツールやレーザー等を利用した3次元形状計測装置などの利用により、3次元物体モデルの作成に必要な作業や時間が減少した。その結果、大量の3次元物体モデルが作成され、これらをデータベース化し効率よく利用する必要がでてきた。本研究では、90度の回転同値類の計算法を提案する。また、計算された回転同値類を形状特徴量に応用することにより、回転に依存している特徴量を回転不変な特徴量へ圧縮・変換し、高速な類似検索を実現する。3次元物体を類似検索する場合、最適な特徴量は、検索するデータベースがどのような3次元物体モデルを含んでいるのかに依存しており、様々な特徴量が利用できることが望ましい。回転に依存している特徴量には類似性を判断するのに適しているものがあり、これらを回転同値類によって変換・圧縮すれば回転不変な特徴量として利用できる。本研究では、回転同値類の効果を応用し、一般に大きくなりがちな3次元物体モデルの形状特徴量の数を大幅に削減した。そして高速で適合率・再現率の高い3次元物体モデルの類似検索を可能にした。
|