研究課題
近年、3次元物体モデル類似検索のための様々な形状特徴量が提案されている。形状特徴量は回転に対して影響を受ける形状特徴量と、回転に対して影響を受けない特徴量(回転不変な特徴量)に分類することができる。3次元物体を類似検索する場合、最適な特徴量は検索するデータベースにどのような3次元物体モデルが含まれているのかに依存しており、様々な特徴量を利用できることが望ましい。これまでの研究では、回転不変な特徴量が数多く提案されているが、回転に依存している特徴量にも類似性を判断するのに適しているものがあり、これらを回転不変な特徴量として利用できれば有用である。そこで、本研究では回転に依存している特徴量を回転同値類の考え方に基づいてグルーピングし、回転不変な特徴量へ変換するアルゴリズムを考案した。研究では、3次元物体モデルの頂点密度分布による形状特徴量を同値類の概念に基づいて回転不変な形状特徴量に変換することで一般に大きくなりがちな形状特徴量の数を圧縮し、高速な類似検索を実現した。本年度は、手法を3次元物体モデルの部分的な類似検索に応用した。従来の研究では、個々の3次元物体モデルの比較を行い3次元物体モデル間の類似度を算出するため、(1)3次元物体モデルに含まれている類似部分を検索、(2)3次元物体モデルの特定の部位を選択し類似している部分をもつ3次元物体モデルの検索する、などが困難であった。このような部分検索は様々なソフトウェアに応用でき大きな需要がある。しかし、部分検索の実現には2つの問題がある。一つは検索対象となる3次元物体モデルの部品をどのように定義し、部品として分割するかという問題である。もう一つは部品化によってデータの数が増加するため形状特徴量の比較が膨大になり、検索に時間がかかってしまうという問題である。本研究では、3次元物体モデルを構成しているポリゴン面間の成す角度を比較することによって部品化を実現した。そして、部品化した3次元物体モデルをボクセルデータ化し、回転同値類に基づくグルーピング手法によって、形状特徴量を大幅に圧縮した。これによって、部品化でデータ数が10倍〜30倍に増加したにも関わらず、高速な部品検索を実現することができた。
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The World Scientific Engineering Academy and Society Transaction on Information Science and Applications Issue 2, Volume 2
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The World Scientific Engineering Academy and Society Transaction on Systems Issue 8, Volume 3
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