|
近年の情報通信技術の発展に伴い、日々大量の映像が視聴に供されている。特にニュース映像は、社会の様々な出来事を記録した人類共通の文化的・社会的資産であり、逐一蓄積して検索・閲覧に供することに大きな価値がある。また、大量の映像を供給し続けるためには、過去の映像資産を効果的に再利用する必要がある。このような背景をうけ、これまで約3年間にわたり連日特定のニュース番組の映像を自動的に蓄積して映像コーパスを構築し、様々な利用技術に関する検討を進めてきた。本研究はおおまかに下記の3点に注力して取り組んでいる。
1)大規模映像コーパスに対する既存技術の適用可能性の検証と改良
2)大規模ニュース映像コーパスの知的構造化
3)構造の可視化と構造を反映した効率的なアクセスインタフェースの実現
そのなかで、本年度は映像コーパスの知的構造化に関する研究として、昨年度までに実現したニュース映像内のトピックに基づく構造の解析(トピック分割)と、コーパス中の全トピック間の関係に基づく構造の解析(トピック追跡)の高速化をはかった。また、知的構造化がなされたニュース映像コーパスへのアクセスインタフェースについても、人物関係を中心とした閲覧インタフェースや、トピックスレッドを単位とした閲覧インタフェースを作成し、昨年度までに作成したものをより洗練させ、検証にそなえて、ユーザに利用しやすくした。
|
