研究概要 |
本年度は今後の研究の基礎となる階層的な情報処理に基づく汎用的認識法の研究を行った. 具体的には,脳の初期視覚を模倣した特徴抽出を行い,その出力に対して局所領域毎に主成分分析することにより階層的な特徴抽出を行った.さらに,局所的な主成分分析の出力値に対して局所的なガウシアンを適用し,対象の場所に特化した細胞を生成した.この考えを基にして向きと場所に特化した細胞を生成し,向きの変化にロバストな認識を実現した.この成果を国際会議(ICIAP2003)及び論文誌(JACIII)で発表した. この研究成果を更に発展させ,近年,汎化能力の高い識別器として注目を集めているサポートベクターマシンに局所カーネルの導入を行った.これにより,実環境下で問題となっていた部分的な隠れに頑健な認識を実現した.この成果を3月末に行われる電子情報通信学会の総合大会で発表する. また,グラフのクリークに基づく向きの変化にロバストな認識法の研究も行った.グラフの持つ柔軟性を利用することにより,少ない数のモデルだけで広範囲の向きに対応できるようになった.この成果を情報処理学会論文誌(数理モデル化と応用)で発表した.
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