研究概要 |
本研究では、ニューラルネットワーク、進化的アルゴリズムなどのソフトコンピューティング手法を用いて、密なオプティカルフローを瞬時に推定する動き検出視覚モデルを提案し、複雑シーンへも対応できる、高精度の視覚情報処理システムを構築する。本年度においては以下の内容を行った。 1)少ないフレームで、動きが1pixel/frame以下の動画像を対象に、密なオプティカルフローを瞬時に推定するため、シミュレーション画像及び実画像を用いて、研究代表者らが先に提案した2次曲面勾配マッチング法と従来のグラディアント法(Horn & Schunck(1981)、Nagel(1983)、Nagel & Enkelman(1986))との比較実験及び推定精度分析を行い、提案法の有効性を明らかにした(The 4^<th> IASTED International Conference on Visualization, Imaging, & Image Processing(VIIP2004))。 2)局所的な領域内の視細胞(画素)の光強度が時間的に変化することを考え、時系列解析できる数理モデルを開発し、特に、確率政策を持つ強化学習の非線形時系列予測への応用を試みた。前年度に開発した自己組織化能力を持つファジィニューラルネットワーク予測システムに非対称確率密度関数を導入し、適応的ランダム探索最適手法(RasID)を用いてより効率の高い予測システムの構築を試みた(平成16年電気学会電子・情報・システム部門大会)。 3)現在、上記の自己組織化を有するファジィニューラルネットワークを用いて、連続シーンの間の物体の変位が抽出できる動き検出視覚モデルの開発を行っている。また、免疫概念などの進化的計算法の利用も検討している(The 10th International Symposium on Artificial Life and Robotics 2005 (AROB 10th '05))。
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