研究概要 |
人間は,テクスチャ画像に対する視覚的な情報だけから,すなわち画像を視認するだけで,その画像に撮像された素材の触覚的印象(例えば,粗滑・柔硬・乾湿など)を受け取ることがある.このような印象を,例えばロボットビジョンの組み込むことができれば,不用意に接触すると壊れてしまいそうな物体か,逆に自身にダメージを与え兼ねない硬い物体かなどを,視覚情報だけから推測することが可能になる.本研究の目的は,微小な形状特徴や周波数成分など従来手法による特徴量や必要ならば新たな特徴量を総合的に用いて,平均的な人間の視覚の感覚量を説明するモデルを構築することである. 本年度は,調査・実験環境の構築を含めて予備実験を行った. (1)WWWサーバの上に,人間の視覚がテクスチャに対して抱く感覚量を測定するためのアンケートページの構築,結果を集積するDBの構築,自動集計スクリプトの作成およびテスト. (2)サンプル画像の収集,申請した民生用デジタルカメラ等を使用. (3)予備調査として,現段階で想定しうる感覚量の軸を少数人数に対して測定,(1)で作成したシステム上でのテスト これを実地するために, (A)フリーソフトによる安価な実験環境の構築 (B)アンケート調査のオンライン化により,本実験における作業の簡素化 を行った. また,これと同時に予定外ではあったが,堆積物体を撮像した画像から,本研究によって抽出する特徴量を用いて,撮像対象物体の質量の推定を行う実験を行い,実用的に質量推定が可能であることを発見し,この結果を論文として発表した.
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