本研究では、屋外環境下で行動可能な自律型ロボットに必要な戦略獲得方法の開発とロボットの構造設計を行った。本研究では自律ロボットの制御部として用いる、環境の変化にすばやく対応できるニューラルネットワークアンサンブルの開発を行い、シミュレーション実験と実際にロボットに搭載し実機での実験を行った。開発したニューラルネットワークアンサンブルは複数の単純なニューラルネットワークから構成され、各ニューラルネットワークは自動的に異なる"環境"に対し知識を獲得することができる。本ロボットでは学習の手がかりとして、ロボットに搭載する対応電池パネルから獲得したエネルギーとロボットが屋外環境下環境下で行動するために消費したエネルギーの差を用いる。つまり、ロボットは常にエネルギー効率の良い行動を学習し、戦略の獲得をすることができる。さらに、複数の競合するニューラルネットワークを用いることにより、環境変化やロボットが故障した場合、その新しい条件下で再学習を行わず、最適なニューラルネットワークに自動的に切り替えることにより、素早く環境に適応することができる。 本研究では、数日間にわたり様々な天候状態で実験を行った結果、ロボットは複数の戦略を獲得することができ、屋外環境で生き延びることができた。本研究では、エネルギー効率を手がかりに、自律ロボットの戦略獲得を学習を通して行ったが、今後はエネルギーだけではなく、障害物回避や実際のタスクも評価として加え、学習を行う予定である。
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