Jolly Jumperを装具された幼児によるジャンプの学習を調べることにより、行動のダイナミクスを得るに至るための様々な方法を、幼児がどのように学習しているかを明らかにすることができる。我々の研究の目的は、幼児のモータースキル発達の背後にある計算原理を例示することにあり、特に、探索から自律的な行動に至る秩序だった行動様式の獲得に焦点を合わせている。幼児においては、自律的な行動はランダムなものではない。それは、初期においては体の様々な部分を含む認識可能なパターンに組織化され、またそれらのタイトな結合(このプロセスは自由度の凍結化と呼ばれる)と結合部の位相シフトによって特徴づけられる。発達の過程で、この同時性(Synchrony)は徐々に緩和される(このプロセスを凍結の解除と呼ぶ)。この結合プロセスの役割を解明するため、神経回路を用いたパターン生成器によって、飛びはねるヒューマノイドロボットに蹴る動作を繰り返しさせる、予備的な実験を行った。この実験により、ヒップと膝、足首間の結合係数や、またセンサーフィードバックのゲインを適切に設定することにより、行動の自由度が減少し、それがジャンプの大きさや安定性につながることが明らかとなった。この結果は、人間の幼児における観察と質的に類似しており、体と環境のダイナミクス間の相互作用に帰すると考えられる。
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