本研究の最終的な目的は、美術館・博物館におけるサイン計画の指針を提案することである。昨年度はヨーロッパとアメリカ合衆国における大規模・中規模な美術館・博物館のサインの実態調査を行った。公共性を重視するため、各国を代表する中規模以上の美術館・博物館役20箇所を主な調査対象とした。本年度はこれらの収集データを整理した。その結果、サインの部門は、館外、エントランス周辺、館内移動空間、展示室、サービス、管理、ハンディキャップ者・乳幼児のように分類をすることができた。また、サインの掲出位置は、吊下型、突出型、壁付型、自立型、直付型、直刷型、半自立型、その他に分類でき、さらに表示媒体は不透明ボード型、バナー型、透明ボード型、ディプレイモニタ型、貼り紙型に分類できた。 2004年6月に開催された日本デザイン学会研究発表大会では、主に部門別分類と、各部門の特徴について、収集資料の具体的事例をもとに解説した。2005年3月に発行された筑波大学芸術研究報では、サインの部門別に、各部門の特徴、掲出位置、表示媒体、各美術館・博物館の特徴などについてさらに詳しく述べた。さらにサインにおける外国語表記の有無、展示室のナンバリングと色分けについてもまとめた。 その他、2004年11月には大韓民国の美術館・博物館のサインに関する資料収集を行った。また2005年2月には、オランダのデルフト工科大学のビジュアル・インフォメーション。グループでサインに関する打ち合わせと資料収集を行った。
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