ファジィ関係方程式に基づいた動画像圧縮およびその大量動画像運用への応用

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15700181
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 延原 肇 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80359687)
• キーワード: 静・動画像圧縮 / ファジィ理論 / 予測符号化 / ファジィ関係方程式

研究概要

ファジィ関係方程式に基づいた静止画像圧縮法(ICF)をベースとして、ファジィ関係方程式に基づいた動画像圧縮法(MCF)を定式化した。提案MCFでは、グレースケール動画像を対象とし、それらを静止グレースケール画像の系列とみなし、IフレームおよびPフレームの2種類に分けて取り扱う。Iフレームを圧縮する場合は、従来のICFで採用されている一様分布型符号器方式、すなわち、対象画像全体に均一に符号器を配置する方式を用いて圧縮する。一方、2枚のIフレームの差分画像であるPフレームの場合、画素の分布が偏るため、対象画像の画素分布に合わせて符号器を配置する、非一様型符号器方式を用いて圧縮を行う方が効率がよい。よって、本研究では、Pフレーム圧縮のための非一様型符号器の最適設計法を、符号器のファジィ集合のオーバーラップレベル指標および、ファジィ量子化に基づき提案した。ここで最適符号器の場合のオーバーラップレベル値をCOREL1000枚の画像圧縮・再構成実験を通して実験的に求めた。また、オハイオ州立大学(米国)で公開している動画像データベースから選択したグレースケール動画像を用いて動画像圧縮・再構成実験を行い、提案MCFの有効性、特に、動画像内の移動物体の動きが、従来法に比べて滑らかに再構成されることを確認した。
さらにPフレームの高速・高品質圧縮を行うための符号器設計に対する基礎理論として、ファジィ関係の分解問題について研究を行い、ファジィ関係の高速分解法、および改良コスト関数による高品質分解法を提案した。

研究成果

• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota, S.Sessa, W.Pedrycz: "Fast Iterative Methods of Decomposition of a Fuzzy Relation for Image Compression/Decompression Processing"Soft Computing Journal. (現在、Online Fastという電子形式で公開中). (2003)
• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota: "Non-uniform Coders Design for Motion Compression Method by Fuzzy Relational Equation"International Fuzzy System Association World Congress (IFSA2003), Lecture Notes in Artificial Intelligence. 2715. 428-435 (2003)
• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota, W.Pedrycz, S.Sessa: "A Motion Compression Method by Fuzzy Relational Equations"IEEE International Symposium on Computational Intelligence in Robotics and Automation (CIRA2003). (CD-Proceedings). (2003)
• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota: "A Motion Compression Method based on Min S-norm Composite Fuzzy Relational Equations"4th International Symposium on Advanced Intelligent Systems (ISIS2003). 488-491 (2003)
• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota: "Eigen Fuzzy Sets of Various Composition and their Application to Image Analysis"The 7th World Multi Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI 2003). (CD-Proceedings). (2003)
• [文献書誌] H.Nobuhara, K.Hirota: "Some Component Analysis based on Fuzzy Relational Structure"International Workshop on Fuzzy Logic and Applications (WILF 2003). (CD-Proceedings). (2003)