本研究では、人間と機械とのより良いコミュニケーションの実現を目指し、機械に人間の感情を推定させることを考えている。従来から取り組まれているような、顔の表情から感情を推定する研究とは異なるアプローチとして、人間の身体動作から感情を推定することを目的としている。 本年度に行った研究を述べる。 (1)感情動作画像データベースの構築 モーションキャプチャー装置を用いて、感情が表現される動画像データベースを構築した。役者に感情を付加した歩行動作を行ってもらい、主要な関節にセンサを取り付けて記録した。 (2)移動物体追跡システムの構築 映像から主要な骨格や関節のみを抽出するシステムを構築した。画像処理用計算機を用いて、指定した関節を自動追跡することができた。 (3)心理実験による確認 視覚心理実験用計算機を用いて、(1)で作成した画像を人間の被験者に提示し、感情を表現している運動パターンを選別、カテゴリ分類させた。上記のデータに感情情報が含まれていることを確認した。
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