研究概要 |
ファジィ制御における最適化問題として本年度は高木・菅野モデル(T-Sファジィモデル)の数理的解析を行った.T-Sファジィモデルのファジィ推論により構成される入出力変数は,IF-THENルールにおける前件部のメンバシップ関数に依存している。それゆえ,出力を算出するファジィ推論法がメンバシップ関数集合族上で連続である事実,および二次形式評価関数のメンバシップ関数集合族上の連続性を証明することにより,最適制御の存在性が証明された"Analysis of T-S Fuzzy Model". また,上述の証明等,これまで証明を行ってきたファジィ制御における最適制御の存在性をプルーフチェッカー(Mizar)を用いて検証するため,準備としてMizarシステムのライブラリを作成した.本年度はファジィ関係を束として扱い,様々な性質を論じた"Lattice of Fuzzy Sets"とその継続である"Transitive Closure of Fuzzy Relations"の2編を作成した.これらはIF-THENルールをファジィ関係に近似した際の数理的検証に有用であると考える. その他,ファジィ制御を用いたアプリケーションとして,色彩の決定をファジィ推論を用いて行うシステムの開発に取り掛かった.これは1組のIF-THENルールのみによって色を決定するものではなく,感性情報を考慮した2組目のIF-THENルールを組み合わせ,2ステップで色彩を決定するものである。このシステムはまだ提案段階にあるが、今後はプロトタイプモデルの構築と平行して上述したファジィ制御の数理的解析の手法を考慮に入れていくべきであると考える"Color construction using dual fuzzy system""Automatic Color Decision Using Fuzzy Control".
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