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2003 年度 実績報告書

大規模な意思決定のための匿名保証型DSSの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15700208
研究機関群馬大学

研究代表者

岩井 淳  群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (60293081)

キーワード意思決定 / 匿名性 / 集団思考 / DSS / コミュニケーションシステム / グループウェア / 電子討議 / 電子投票
研究概要

a)実験用の匿名保証型DSSのインプリメント,b)内外の関連資料の収集,c)討議実験と評価,d)研究成果の発表を行った。各作業は,具体的には以下のように行った。
a):現実の意思決定機関に対し議案提出を行うための匿名討議システムの雛型を構築した。匿名性と責任感の維持の両立を図るため,匿名性を保証する代わりに全参加者に唯一不変もしくは少数不変のハンドルネームを与え,情報の受発信の履歴が各参加者を特徴づけていく環境とした。
b):既存のコミュニケーションシステムに関し,匿名性による不法な発言に対処するための対処法の調査を行った。DSS研究に関しても同様の調査を行った。不法な発言を招かないためのコーディネータの役割は比較的に大きく見積もられることが判った。ただし,現在までのところ,本研究におけるようなシステム的対処を合わせて行った前例は見出されていない。
c):次年度に行う本格的な討議実験の準備として,システムの動作確認を目的に,異なる大学で20〜30人規模の学生実験を2度行った。動作不良の箇所は見出されず,議論の質の向上に関する実験協力者の評価も良好だった。しかし,参加学生の討議状況より,結果的に匿名性が失われる状況(全員一致の場合等を含む)や文脈が失われる状況(発言者が文脈よりも発言回数を重視する場合等)が比較的容易に生じ得ることが判った。また,これらの問題には,投票集計ルーチンに詳細な投票結果を隠蔽する機構を含める技法や,発言資格を確率的に変動させる枠組みが有効であると判断した。現在,この観点から設計システムに改良を加えつつある。
d):匿名保証型DSSを紹介するとともに学生実験で得られた知見を説明するため,当初の計画通り,情報処理学会・社会情報学会(JASI, JSISの両学会)・情報文化学会・経営情報学会で大会報告を行った。また,16年度に開催される国際会議への投稿も行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 岩井 淳: "実験用匿名保証型DSSの構築と環境変数"日本社会情報学会第18回全国大会研究発表論文集. 18・1. 137-142 (2003)

  • [文献書誌] 岩井 淳: "匿名性の厳密な維持を考慮した無記名投票の集計技法〜情報の正確な反映に対するプライバシーの優先〜"情報文化学会第11回全国大会講演予稿集. 84-87 (2003)

  • [文献書誌] 岩井 淳: "社会的選択と選択肢提出のコスト〜匿名性保証における自己限定不安への対処〜"日本社会情報学会第8回全国大会報告要旨集. 44-45 (2003)

  • [文献書誌] 岩井 淳: "電子投票と投票者の匿名性"経営情報学会2003年度秋季全国研究発表大会予稿集. 326-329 (2003)

  • [文献書誌] 岩井 淳: "匿名性の活用による集団思考の抑制と実験システム"情報処理学会第66回(平成16年)全国大会講演論文集. (4). 129-130 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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