研究課題
本年度は、(1)構築したテキストデータベースの公開に向けた整理、(2)文字オントロジによるNグラム処理ツールの開発、(3)研究の総括(報告書の作成)を目標に、研究を行った。(1)に関しては、すでに一部のデータを、花園大学のサーバ(http://kura.hanazono.ac.jp/)より公開している。近日中に、すべてを公開する予定である。(2)に関しては、当面の目標として漢字の音韻によるNグラム処理を実現するべく『韻鏡』のデータベース化に着手し、完成には至っていないが、準備作業はほぼ終えた。今後、これを完成させるべく、研究・開発を継続する予定である。ただし、音韻のオントロジ記述に関しては、音韻自体が持つ構造の複雑さから、最終的にどのようなモデルでデータベースを構築し、処理すべきなのかを、他の研究者と共同で検討中である。(3)については、仏教学、人文情報学、自然言語処理研究などの広い視点から、本研究がどのように位置づけられるかについて研究を行い、論文として発表した(下記「「デジタルアーカイブ」とはどのような行為なのか」「仏教学における自然言語処理」参照)。また、本研究で開発した方法を他の文献に応用した研究も行い、成果をあげることができた(下記「楞厳経惟〓疏の逸文をめぐる二、三の問題」参照)。以上のことから考えても、本研究は(一部、未達成の部分が残っているとは言え)今後の古典学研究に活用されうると思われるし、期間内に十分な成果をあげたと考えられる。以上の成果を含めた本研究全体のまとめとして、現在、報告書を作成しており、近日中に公開予定である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
情報処理学会研究報告 Vol.2005, No.51
ページ: 31-37
禪學研究 特別号
ページ: 221-234
漢字文献情報処理研究 6
ページ: 110-115