研究概要 |
平成16年度に行った研究について以下にまとめます. (1)数千というオーダーの超多数確率変数の関連,特に因果関係を捉えるために平成15年度はベイジアン・ネットワークとノンパラメトリック回帰を組み合わせた統計モデルを提案し,その有効性をcDNAマイクロアレイによって観測された遺伝子発現データの解析を通し検討した.しかしながら,超多数の確率変数の関連を有向グラフ(directed graph)によってモデリングする際,観測されるデータのみからの推測では,そのサンプルサイズ,含まれる情報量から明らかな限界があること分かった.そのような場合,グラフ構造の事前知識を用いることが極めて有効であると考え,目的となる確率変数の関連・因果関係を表す有向グラフを推定するためのあらゆる知識,利用可能な様々なデータを階層モデルにまとめ,それらを統合するベイズモデルを構成した. (2)癌の分類・予測を目的に観測されたマイクロアレイ遺伝子発現データのクラスタリングに対しては従来の混合分布に基づく方法は,モデルに含まれる超多数のパラメータのため過適合をおこし有効に働かない.そこで因子分析の方法を拡張した超高次元特徴ベクトルを有する少数サンプルのクラスタリングのための手法(Mixed Factors Analysis)を開発した.
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