研究概要 |
本研究では,脳磁図(MEG)により計測された大脳皮質の神経活動の解析を,ブラインド信号分離をはじめとする様々な統計手法を用いて行っている.MEG計測は,fMRI計測などに比べ時間分解能が高いという特性がある為,その特性を生かした解析が出来る.大脳皮質の活動の中でも,近年,正中神経を電気的に刺激することにより大脳体性感覚野において生じる高周波振動(High Frequency Oscillations, HFOs)が注目されている.HFOsは600Hz前後の,N20m付近に出現する.従来HFOsは脳波(EEG)計測データを用いて観測され,数千回から1万回に及ぶ繰り返し計測データの加算平均によって確認できるものであった.近年MEG計測においても観測されるようになったが,その繰り返し計測の回数の多さは,計測を困難にし,実験課題への制限も問題であった.本研究のひとつのテーマとして,我々はブラインド信号分離の手法等を用いて,より少ない加算平均回数でその現象を抽出することができた.この結果は8th International Evoked Potentials Symposium, Fukuoka, Japan 5-8 0ctober 2004-ICS 1278において発表した.
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