研究概要 |
本年度は,データに欠損が生じていない完全データの場合である平均ベクトルの同等性検定および同時信頼領域について,以下の3点について研究成果を得た. 1.多変量正規母集団下での対比較と対照比較における多変量Tukey-Kramer型同時信頼領域法の保守性に関する理論的研究 2.非正規分布のひとつである楕円母集団下で,各母集団の標本数が異なるアンバランスな場合における保守的な同時信頼領域構成法の提案と,その数値的・理論的両側面からみた非正規性の影響に関する研究 3.楕円母集団下での平均ベクトル成分の同等性検定と2標本問題における平行プロフィール検定に対する検定統計量の漸近展開の導出とその非正規性の影響における研究 これらの研究成果について,1と2については,2003年5月23日に新潟(朱鷺メッセ)にて行われた日本計算機統計学会で口頭発表し,現在,論文としてまとめ,1についてはすでに学術雑誌に投稿中である.さらに3については,2003年9月3日に名城大学で行われた統計関連学会連合大会で口頭発表し,現在,投稿準備中である.また,データに欠損が生じている単調欠測データにおける平均成分の同等性検定問題についても,分散共分散に一様構造を仮定した場合の新しい検定統計量の導出や同時信頼区間の構成法について理論的結果を得ており,12月10日に横浜市立大学アーバンカレッジで行われた科研費シンポジウムにて口頭発表している.
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